AIの急速な進展によって社会が大きく変化する現代において、たくましく活躍できる人材を育成するべく、「副専攻(AI活用エキスパートコース)」を創設。実践的かつ活きた教育の実現を目指し、IT企業で活躍する現役の専門人材をゲスト講師として招聘するなど、武蔵野大学ならではの独自性を築き上げ、現在もその発展にご尽力されています。

所属学科の学びである主専攻の履修に加え、学部横断型・副専攻AIエキスパートコース(AI副専攻)を任意で履修可能とし、実践に即したDX人材育成に取り組む武蔵野大学。
IT現場で活躍する現役講師を招聘する等、独自のカリキュラムを学生に提供し、受講生の増加や修了生の就職実績など成果が表れはじめています。このたび、このAI副専攻を運営する武蔵野大学スマートインテリジェンスセンター(以下「MUSIC」)と(株)オンギガンツは、同大学のカリキュラムの効果測定およびカリキュラムの改善において、松田式DXAによる検証を開始いたしました。
(現在も継続検証中)
下段左図の 有名私大.A は、特にDX強化カリキュラムを有しない大学の松田式DXAによる診断結果です。この診断から「潜在人材」が 70% を占め、企業にとっての即戦力人材は僅か 30% しか期待できない状態を示しています。一方右図は、武蔵野大学のAI副専攻を履修し、1年経過の学生達のデータです。カリキュラムの初期の課程で学修途中の学生であっても、即戦力人材の比率が上昇していることが見て取れます。
すべての課程を履修した学生達の能力は飛躍的に向上しており、即戦力人材は 80% にも上る結果に。
また注目すべき点は、DX プロジェクトで参加できるだけではなく、高度な提案力・対応力の資質を有する「活用レベル」以上の学生が半数近くに達していることです。事実、彼らの修了作品であるアプリ企画、Webサービス、データ解析作品はいずれも実用化が期待できるレベルでした。
また各スキルごとに詳細な弱み・強みが特定できたことにより、今後のカリキュラム改善にも活かされていく予定です。
修了生の即戦力人材割合は、
80%に達する
導入前の印象と懸念
本診断サービスは、設問の構成などが非常に体系的かつ網羅的であり、全体としてよく設計されていると感じました。ただし、本学が提供している「副専攻AI活用エキスパートコース (AI副専攻)」のねらいとの整合性については、導入前にいくつか懸念がありました。特に、当該カリキュラムが重視する論理的な問題解決力や利用者視点での活用力を評価する上で、診断結果の妥当性に不安を覚えました。
テスト導入での確信
しかしながら、テスト導入の結果、我々教員が学生一人ひとりに対して日頃行っていた評価と、診断結果の評価が見事に合致したことにより、その懸念は払拭されました。この結果をもって、AI副専攻での本格導入へと舵を切ることにしました。
学生たちには、この診断を通じて自らの成長を実感し、また自身の中に眠る「マスタースキル」に気づく契機となることを期待しています。
今後の活用
今後は、AI副専攻を履修する学生に対して、履修初期と修了時の2回、定期的に診断を実施していくことを計画しています。
さらに、この診断は「成長の過程」を客観的に説明できる非常に有効なデータとなるため、新入生向けガイダンスや教育プログラム紹介の場でも積極的に活用していきたいと考えています。
将来的には、企業への推薦やインターンシップ選考時などにおいて、学生の能力を裏付ける推奨データとしても活用が可能になると考えています。学生の可能性を社会とつなぐ、架け橋の一つとしてこの診断が機能することを期待しています。